自由診療を上手に使う

自由診療(自費治療)は上手に利用すれば結果的に費用負担も抑えられ、生活の質が向上する誰もが対象となる治療です。この記事では歯科における自由診療の上手な使い方を解説します。

自由診療と保険診療の最大の違いは、保険治療は材料や治療法に制限があるという点です。また、高い技術を持つ専門医による治療は自費診療となることが多く、技術的な差があるとも言えるでしょう。 それでは項目別にどのようケースで上手に自費診療を利用すれば良いか解説していきます。

①同じ治療法で材質が違うケース

被せ物の治療などが典型的ですが、自費診療では保険治療とは全く異なり、高精度・高強度・高審美の材料を使用します。

保険診療は、型取り自体が精密ではない上、色調も経年的に変色していき、結果的に、被せ物と歯の間に隙間からむし歯になったり、歯周病になったりして、いずれやり直しが必要になることが多くあります。

結果的に、何度も歯を削るので歯の寿命を縮めることになりかねません。一方で、自費診療の場合は、型取りの材料も精密なものを使いますので、被せ物と歯の適合が非常に良好なため、むし歯になるリスクを軽減します。結果的に、保険診療の材料よりも長持ちするため、治療費も耐久年数を考慮すると、決して高額ではないことがご理解いただけると思います。

特に前歯などは見た目に関わる部分ですので、保険治療の差し歯などをいれると帰って色調が他の歯と合わず、目立ってしまうことがあります。前歯などは高い審美性が求められるので、自費診療のジルコニアセラミックスという材質が最もおすすめです。

②保険治療では治療法に制限があるケース

このケースでは、インプラント治療が典型的です。歯を失った後の治療法として、入れ歯・ブリッジ・インプラントがありますが、インプラントだけは健康保険が適応ではありません。

例えば、中間の歯がなくなってしまった場合は、3つの選択肢を選ぶことができます。

今まで、中間の歯がなくなった場合の治療の第一選択は、両サイドの歯を削るブリッジでした。しかし、銀歯であるため、奥歯とはいえ見た目があまりよくない上に、数年経つと力の負担過多により根が割れてしまったり、連結部の磨きにくい部分から再度むし歯になってしまったりと、いずれ何らかのトラブルに見舞われることが少なくありません。

ちなみに、ブリッジの10年予後は50~70%と言われています。つまり、3割から半数以上が10年以内になんらかのトラブルでやり直しや、抜歯に至っていることを表します。一方で、インプラントの10年予後は90~95%であり、ほとんどが10年以上機能しています。

これらのデータからも、ブリッジは他の自分の歯に負担をかけるだけではなく、生存率も悪いと言えるでしょう。インプラントは、他の歯に迷惑をかけず長持ちもする治療ですので、高額な治療費でも納得できるのではないでしょうか。

もし、保険のブリッジを選択して、数年後には支える歯が抜歯になった場合、インプラントは2本必要となってしまいますので、かえって費用負担が大きくなることもあります。歯の欠損が生じた場合は、できるだけ早くインプラントにし被害を最小限にとどめておくというのもひとつの考え方です。

また、1番奥の歯がなくなってしまった場合は保険治療の入れ歯か、自費診療のインプラントという2つ選択肢しかありません。入れ歯は取り外しが必要なものになりますので、見た目や機能面だけでなく異物感が強くなります。

また、手前に自分の歯に金具を引っ掛けて安定させるため、他の歯にも負担をかけるため、新たな歯の欠損をつくることがあります。欠損をこれ以上進行させないためにも、インプラント治療は非常に有効です。

③専門医による自費診療

専門医にも色々なものがありますが、根の治療(エンド治療)のように日本またはアメリカで専門医を取得し、その治療に特化して開業している先生もいます。

そのような医院では、高い技術はさることながらマイクロスコープやCTなど高額な設備投資をしており、その治療の成功率を極限まで高めています。また、一般開業医では治療困難と言われた歯を治療することもできるかもしれません。

また、歯周病専門医は歯を残す治療の専門家です。重度の歯周病でも、最先端の再生療法などを用いて治療を施してくれる可能性もあります。歯を失ってインプラントにする前に、エンド治療や歯周病の専門医に頼って「歯を残す」ことに自費診療をうまく活用する方法も有効だと思います。